ネパール紙幣とその歴史

普段、日常で使っているネパール紙幣のデザインって、意識してみたことがあるでしょうか?

僕はエベレストが描かれているな~。とか、落書きだらけで変な臭いがするな~。程度にしか考えたことがありませんでした。
しかし、最近、お買い物中にお札の中にエベレストではなく、だれかの肖像画が描かれた20ルピーを発見しました。そこでネパールの紙幣について調べてみたところ、意外にも面白かったのでここで紹介したいと思います。

これから、ネパールを訪れるという方でも、知っておくと意外にためになるので、是非最後まで読んでみてください。

皆さんもご存知通り、ネパールの通貨は、ネパール・ルピー(NPR)
ネパールでは、1、2、5、10、20、25、50、100、250、500 および 1,000 ルピーの 11種類の紙幣が新旧入り混じって流通しています。

新紙幣:エベレスト柄
旧紙幣:国王の肖像画

今では旧紙幣、特に1、2、25、250 ルピーの紙幣はほぼ見かけることはありません。ちなみに、現在1、2ルピーについては紙幣ではなく硬貨が主に用いられています。

国王の肖像についてですが、2002年まではビレンドラ国王
2001年6月に王族殺害事件がありビレンドラの弟のギャネンドラが国王となり、紙幣の肖像も彼に変わりました。

そして、2007年に暫定憲法が発布され、王制廃止が既定の路線となったことに伴い、エベレストが印刷された500ルピー紙幣がはじめて発行されました。
この500ルピーの透かしはギャネンドラ国王のままでしたが、透かしの上から石楠花の絵が印刷されており、透かしの肖像は見えにくくなっているそうです。
その後、2008年の王制廃止に伴い、その他の額面の図柄も国王の肖像から順次エベレストに変更されました。(wikipedia参照)

実際に5ルピーを比較してみると、

(左上:ビレンドラ国王(メガネが特徴)、右上:ギャネンドラ国王、左下:エベレスト)

中央に描かれている寺院は変わらず同じようですね。
ちなみに、裏面のデザインも全て同じでヤクが描かれています(下に図柄あり)。

次に、新紙幣について紹介します。全部で7種類。

表面はエベレスト、裏面にはすべてネパールを象徴する動物が描かれています。
5NPR:ヤク
10NPR:ブラックバック
20NPR:鹿
50NPR:ヒマラヤタール
100NPR:インドサイ
500NPR:ベンガルトラ
1000NPR:アジア象(図版の像はアジア象とアフリカ象両方の特徴を有しており、美的に再構築されたものと考えられているそう、、)

また、透かしにはネパールの国花のシャクナゲが使われています。

では、旧紙幣(ビレンドラが国王)の1、2、25、250ルピーには一体どんな動物が描かれているのでしょうか。

正解は、、、



1NPR:二頭の鹿?
2NPR:ヒョウ
25NPR:赤いウシ
250NPR:赤いウシ

でした。なんだか意外な結果に、、
いままでは、なんとなくですが大きい額の紙幣ほど強い動物になるのだと思っていましたが、そうでもないようですね。

そして最後に紹介したいのがこれ。2005年にネパール中央銀行で発行された50ルピー紙幣。

表面にはギャネンドラ国王、裏面にはネパールの国鳥であるダフェ(ニシキジ)が描かれています。

また、2011年に旧紙幣の使用を中止する呼びかけが一度あったそうですが、結局やめ、現在も旧紙幣は使用できるそうです。

ネパールには日本よりも多くの種類の紙幣があり、そのデザインは国柄をよく表していて、長い時間見ていても飽きません。発行された時期によっては文字や絵などのデザインも微妙に異なるので、お札を何枚か並べて眺めてみると新しい発見があるかもしれません。

是非お財布の中の紙幣、確認してみてくださいね!

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